6月13日プロレスラー三沢光晴氏が亡くなった。
46歳と言う若さで人生の幕を閉じた訳だが、
私なりの視点で彼に付いて述べさせて頂きたい。
テレビメディアのコメンテイターは、一様に彼の
心労に付いて触れていた事が印象的であった。
戦後の偉大なるプロレスラー”力道山”の愛弟子
である”ジャイアント馬場”の付き人に始まり、
次に”ジャンボ鶴田”の付き人を経てプロレスラー
の道を歩んで来た。
当然ながら日本のプロレス業界の王道を担う彼は
国民的ヒーローを師と仰ぎ、絶対的チャンピオン
に成らなくてはいけない・・・
しかも誰もが認める真のチャンピオンに。
並大抵の努力では済まされなかった事は言うまでも
ないであろう。
絶対王者”ジャンボ鶴田”を破り、正真正銘の
世界チャンピオンにファンは惜しみない拍手喝采を
贈り、彼は頂点を極めた。
2000年以降相次いで師匠を亡くし、彼に架せられた
役目はその志(こころざし)を継承し続ける事。
プロレス団体の立上げに伴ない”社長”としての
立場もプラスされた。
所属するレスラーをまとめ、しかも低迷する興行と
業界全体をも盛り上げて行かねばならない・・・
彼をよく知るコメンテイターが心労に付いて
触れるのも、有る意味当然だったのかも・・・
彼の役割、責任、使命感は計り知れないプレッシャー
であったに違いない。
けっして諦めたり逃げ出したりする事は出来ない。
「私に引退は有り得ない!」と宣言していた・・・
今回のリング上での出来事は、事故で有るには
違いないが気の緩みとは到底思えない。
”受け身の天才”がまともに後頭部を打ちつけ
られたらどうなるのか解っていたはず・・・
自殺を美化するつもりは毛頭ないが・・・・
死をもって、師を仰ぎ、その志を貫き徹す手段は
これしか無かったのかも知れない。
”平成の侍”三沢光晴氏のご冥福をお祈りします。
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